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Family News 第6号2026年9月号2026-09-09

守備が上手くなると、攻撃も変わる?|8月の振り返りと9月のトレーニング

LEAL CORASON 稲城の8月のテーマは「守備」。ところが1か月取り組む中で、子どもたちに起きた大きな変化のひとつは、意外にも「攻撃」でした。8月の成長を振り返りながら、9月に取り組むテーマをご紹介します。

LEAL CORASON(レアルコラソン)稲城では、小学生年代の子どもたちを対象に、毎月テーマを決めてサッカーのトレーニングを行っています。8月のテーマは「守備」でした。

「守備」と聞くと、「相手からボールを奪う練習」を思い浮かべる方が多いかもしれません。ところが1か月取り組む中で、子どもたちのプレーには、守備だけでなく「攻撃」にも変化が見られました。

この記事では、8月のトレーニングを振り返りながら、実際にどんなプレーの変化が見られたのか、そしてそこから見えてきた課題をもとに、9月に何へ取り組んでいくのかをご紹介します。

8月のテーマは「守備」|1対1で意識した3つのこと

8月は、少年サッカーでよく起こる1対1の守備(相手1人に対して自分1人で守る場面)を中心に、次の3つに取り組みました。

① 相手との距離

目安は、大きく一歩踏み込めば相手のボールに触れられるくらいの距離です。ここまで入ると、「隙があればいつでも奪えるぞ」という圧(プレッシャー)を相手にかけられます。

② 相手の動きに対応できる構え方

反復横跳びをするときのような姿勢を意識します(スポーツでは「パワーポジション」と呼びます)。左右どちらにもすぐ動けて、力みすぎない構えです。ただし体格や動きには個人差があるので、一人ひとりに合わせて微調整していきます。

③ ボールを奪うタイミング

足を伸ばせば、相手より先にボールへ触れられる——その瞬間が奪いどきです。特に、相手の足からボールが離れた瞬間がねらい目になります。ただし、これは最後は感覚で身につけていくもの。一度でかわされてしまう子もいますが、それを否定はしません。どの間合い・どのタイミングで奪いにいくのが「自分にとってベストか」を、一緒に見つけていきます。

守備に取り組むと、攻撃にも変化が見られました

興味深いのは、守備に取り組む中で、攻撃のプレーにも変化が見られたことです。守る側が簡単に抜かれなくなると、攻める側はドリブルだけで突破するのが難しくなります。

実際に8月のゲームでは、1人で仕掛けるだけでなく、仲間を使ってパスで相手を崩そうとする場面が増えてきました。ドリブルとパス、どちらも選べる——攻撃の選択肢が広がってきたのです。

図解 1

攻撃の選択肢が広がる

ボールを持ったとき、選べるように

自分で仕掛ける

相手が下がっていれば、ドリブルで突破を狙う

仲間を使う

抜くのが難しければ、パスで相手を崩す

どちらか一方が正解ではありません。相手の様子を見て、自分で選べるようになっていくことが大切です。

私たちが大切にしているのは、こうしてプレーの選択肢が広がっていくことです。「このプレーをしなさい」と一つの答えを覚えるのではなく、相手の様子を見ながら、自分たちで攻め方を選べるようになってほしいと考えています。

守備と攻撃はつながっています

  1. 1. 守備の質が上がる
  2. 2. 攻める側にも、新しい判断や工夫が必要になる
  3. 3. ドリブルに加えて、パスや仲間の動きを使う選択肢も生まれる

守備が良くなると、攻撃にも工夫が求められる。サッカーでは、このように守備と攻撃が互いに影響し合いながら、プレーの幅が広がっていきます。

8月に見られた変化|攻守の「切り替え」の意識が芽生えてきました

もうひとつ、8月に少しずつ見られるようになったのが、攻守の切り替え(攻撃と守備が入れかわること)に対する意識です。これには2つの方向があります。

図解 2

攻守の切り替え|芽生えてきた2つの意識

守備 → 攻撃

ボールを奪ったら、止まらずゴールへ向かおうとする

攻撃 → 守備

攻めているときも「取られたら」を考えて守備に備える

どちらも、ボールが動く前から次に備える意識です。8月は、これが少しずつ見られるようになってきました。

ひとつは、守備から攻撃へ移ろうとする意識です。ボールを奪った後に立ち止まらず、「よし、攻撃だ」とゴールへ向かおうとする姿が増えてきました。

もうひとつは、攻撃しながら守備にも備える意識です。自分たちが攻めているときも、「もし取られたら」を頭の片隅に置いて、味方が守備の準備をしたり、カバーの位置を意識したり——そんな場面が少しずつ見られるようになってきました。

どちらも、ボールが動く前から次のプレーに備える意識です(こうした準備を「セット」と呼びます)。まだ芽生え始めたばかりですが、この意識が育つほど、攻守の切り替えはよりスムーズになっていきます。

なぜ「守備」の月にシュート練習もたくさんしたの?

8月は守備がテーマでしたが、シュート練習もたくさん行いました。「守備の月なら、守備だけを練習した方がいいのでは?」と思われるかもしれません。

でも私たちは、守備だけを切り離して練習することはしません。サッカーは、ゴールを奪い合うゲームだからです。相手のゴールにシュートを打って得点することは、勝敗に直結する、サッカーで最も大切なプレーのひとつです。

だからこそ、テーマが守備の月でも、ゴールを目指す攻撃の技術はいつも一緒に取り組みます。守ることと攻めることは、ひとつのゲームの中でつながっているからです。

図解 3

サッカーは、攻守がひとつのゲーム

ひとつのゲームの中に、両方がある

攻撃

ゴールを奪う(シュートで得点する)

守備

ボールを奪う(相手の攻撃を止める)

サッカーは「ゴールを奪う(攻撃)」と「ボールを奪う(守備)」がひとつのゲームの中でつながっています。だから守備の月でも、攻撃の練習を続けます。

もうひとつ大切にしているのが、「サッカーは点を取るスポーツだ」という本質を子どもたち自身に理解してもらうことです。この考えが少しずつ根づくと、どんな場面でも「ゴールを奪う・点を取る」という一番の目的から逆算して、いま自分は何をすべきかを考え、判断できるようになっていく——私たちはそう考えています。

実際に、シュート練習を重ねると「早くシュートを打ちたい」という気持ちが強くなります。おもしろいのは、その気持ちが守備にも表れることです。「早くボールを奪って、自分たちの攻撃にしたい」という意識が高まり、特に相手ゴールの近くで、より強く・粘り強くボールを奪いにいこうとする場面が見られるようになりました。

「決められた練習をこなす」だけでなく、ゴールを目指す楽しさも大切にする——これは、LEAL CORASON が大切にしている指導の考え方がよく表れた部分です。

今後の課題|守備の「3つのポイント」を感覚に落とし込む

8月のトレーニングを通して、次の課題も見えてきました。それは、8月に取り組んだ守備の3つのポイント(相手との距離・構え方・奪うタイミング)を、もっと「感覚」に落とし込んでいくことです。

いまの子どもたちは、「頭で考えながら」できるようになってきた段階です。次のフェーズは、いちいち考えなくても体が自然に反応して「感覚」でできるようになること。ここを目指していきます。

そこで9月は、考えてできるようになってきた子には、コーチが「こうしなさい」という答えをあえて減らします。代わりに、問いかけで、子ども自身が考えて振り返るきっかけをつくります。たとえば、間合いに課題のある子には、こんなふうに問いかけます。

コーチはこう問いかけます

  • ・今、相手との距離はどうだった? 近すぎた? 遠すぎた?
  • ・この相手なら、どのくらいの距離がよさそう?

答えを教えてもらって直すのではなく、問いかけをきっかけに自分で気づいて調整できるようになること。それが、3つのポイントを「感覚」にしていく近道だと考えています。

9月のトレーニングテーマ

8月に見られたプレーの変化と、そこから見えた課題を踏まえて、9月は守備と攻撃をそれぞれ次のステップへ進めます。

9月の守備|個人の技術を磨き、グループ戦術へ

前章の課題——8月に学んだ守備の3つのポイント(相手との距離・構え方・奪うタイミング)を「感覚」に落とし込むこと。9月の守備は、まずこの一人ひとりの守備技術を、さらに磨き上げていきます。

そのうえで、個人の技術から一段レベルを上げ、「グループでの守備戦術」を新しく導入します。1対1で守るだけでなく、味方と協力してチームで守る——その第一歩です。

特に大切にするのが、ボールを奪いに行っていない選手の「立ち位置」です。守備というと、ボールにいく選手だけに目が行きがちですが、実はボールに直接関わっていない選手がどこに立つかで、チームの守りやすさは大きく変わります。抜かれたときに備えてカバーできる位置に立つ、相手のパスコース(パスの通り道)を消す位置に立つ——こうした「ボールを持っていない選手の役割」を、少しずつ理解していきます。

攻撃|2人組の戦術を知り、使ってみる

攻撃の9月のテーマは、「2人組のグループ戦術」を理解することです。8月に守備の質が上がったぶん、攻撃も1人の力だけでなく、仲間との連係で崩す工夫が必要になってきました。

とはいえ9月は、こうした戦術を完璧に使いこなす段階ではありません。「こういう攻撃方法があるんだ」→「やってみよう」→「実際のプレーで使ってみよう」という、いわば「知って、試してみる」フェーズです。

その代表的な例が「ワンツー」です。ワンツーは、次のように2人で協力して、相手をかわしたりゴールへ向かったりする方法です。

図解 4

2人で崩す例:ワンツー

  1. 1ボールを持った選手が、仲間へパスする
  2. 2パスを出した選手が、相手の背後やスペースへ動く
  3. 3走った先で、仲間からもう一度パスを受ける
ワンツーは、2人で相手をかわす代表的な方法のひとつです。9月は「こういう方法があるんだ → やってみよう」と、まず知って試す段階です。

ただし、9月はワンツーだけを練習するわけではありません。ワンツーを代表例にしながら、次のような「2人で相手を攻略するための基本的な考え方」を学んでいきます。

  • 2人で、どう相手をかわすか
  • パスを出したあと、どう動くか
  • ボールを持っていない選手が、どう関わるか
  • 2人で協力して、どうゴールへ向かうか

そして、こうした戦術を実際に使うには、「止める(トラップ)」「蹴る(パス)」といった基本技術が欠かせません。9月は、グループ戦術を学びながら、その土台になるトラップやパスの技術にも、引き続き取り組んでいきます。

動画で見る|8月のゴールシーンとMVPの声

こちらの動画は、8月のゲームで生まれたゴールシーンと、MVPに選ばれた選手のコメントをまとめたものです。奪ったらすぐゴールへ向かう、といった8月に取り組んだプレーが、実際のゴールにつながった場面もご覧いただけます。

プレーする子どもたちの表情や、MVPの選手が自分の言葉で話す様子も、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ|守備と攻撃を一緒に学ぶと、サッカーがもっと分かる

8月は、1対1の守備で「相手との距離・構え方・奪うタイミング」の3つに取り組みました。その中で、攻撃ではドリブルに加えてパスで崩す選択肢が広がり、守備から攻撃へ・攻撃から守備へと切り替える意識も、少しずつ芽生えてきました。

そこから見えてきた課題は、この3つのポイントを「頭で考える」段階から、「考えなくても体が動く」感覚へ落とし込んでいくことです。だから9月は、守備ではその中でも特に「間合い」を感覚にしていき、攻撃では2人組の戦術(ワンツーなど)を知って、実際に試していきます。もちろん、その土台になる「止める・蹴る」も引き続き大切にします。

私たち LEAL CORASON 稲城では、「このプレーをしなさい」と答えを覚えるだけでなく、子ども自身が相手や仲間を見て、考え、少しずつ自分で判断できるようになることを大切にしています。これからも一人ひとりの小さな変化を見逃さず、サッカーを楽しみながら成長できる環境をつくっていきます。

稲城市周辺で小学生向けのサッカースクールをお探しの方は、クラス紹介や無料体験のご案内もぜひご覧ください。実際の雰囲気を体験していただけます。

9月のコラム

「全国大会で優勝する!」その目標、大丈夫?|子どものサッカーと目標設定

「優勝」「レギュラー」という結果目標を、子ども自身がコントロールできる行動(プロセス目標)につなげる考え方と、試合後に親ができる声かけを、指導する立場からお伝えします。

李 成俊

LEAL CORASON FOOTBALL SCHOOL 稲城

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